ケネス
 第8話 パパの背中を見よ

冒険者の宿



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俺たち“ネクラーズ”って呼ばれてるのかーー!?(爆笑)」

ケネス
「いや、呼ばれてることは知ってましたよ。知ってましたけど……(笑)」

ルーシー
「どちらかと言えば、蔑称に近いですよねぇ」

ケネス
「まあとにかくあまり関わりたくないですね。“なに? こっちは疲れてるから部屋で休みたいんだけど……”」

オクト
「おお、ケネスが珍しく強気だ。後輩相手だからか?」

システィナ
「裏ケネスですね(笑)」

ケネス
「いやいや、ほんとに疲れてるだけですから。あまり人と絡みたくないし」

進行人
「レオンはそういう空気はお構いなしですね。“実は明日、娘が田舎からこっちへ出てくるんだ……”」

ベルク
「それのどこが困るんだ?」

進行人
「“娘のリナに以前、こんなことを聞かれたことがあった。『パパは普段、どんなお仕事をしているの?』……と」”」

ルーシー
「なるほど。すでにいやな予感がしますが」

進行人
「“実は、その、それが……”」

システィナ
「うんうん」

進行人
「“ワシは超凄腕の冒険者で、【“土竜の穴蔵”亭】の総まとめ役的存在だと!”」

ヒューイ
「ぶっ! ……なんでそこまで大きく出るかなぁ」

システィナ
「でもそんな嘘、すぐにバレちゃいますよねえ」

進行人
「“ここまで来ると思わなんだ……。ワシの田舎、馬車で半日近くかかるから”」

オクト
「考えなしに嘘つくからだ」

進行人
「“頼むよ。娘が来る日に何か依頼を受けて、ワシが活躍できるようにお膳立てしてくれ”」

ベルク
「“明日だけ何とかなっても、いつメッキがはがれるとも知れないぞ?”」

進行人
「“それで構わない! 1日だけでいいんだ!”」

オクト
「やれやれ、その場しのぎを続けると後で苦労するぞ? “それで、報酬は?”」

進行人
「“そうだな……成功した暁には、エールを一杯おごろう”」

ヒューイ
「却下」

ルーシー
「お話になりません」


結局、一週間分の宿代で手を打つ一行。こういうところは抜け目がない。
その後、どうやってレオンを活躍させるかあーだこーだと計画を立てます。
「遺跡は?」「ちょうどいい遺跡がない」「退治ものは?」「戦闘でレオンを活躍させるのか?」
みんなが盛り上がってるのはうれしいですが、進行人は蚊帳の外でちょっと寂しい。
そして結局……


ケネス
「芝居を打つことにしました。」

進行人
「妥協しましたね(笑)」

ルーシー
「しょうがないでしょう。レオンを実戦で活躍させるのは無理です」

ケネス
「あははは」


こうして冒険者達はレオンが活躍できる小芝居のシナリオを作り、翌日を迎えるのであった。


山小屋










作者後記


著作権表記
シナリオ 「パパの背中を見よ」(たてやん様)
(様)、(様)

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